DTXplorerにメッシュパッドが欲しい。TMP8Sを用いた電子ドラム用メッシュパッドの自作

便利アイテム#16


DTXplorerにメッシュパッドが欲しかったので作ってみました。


○基本的な考え方

  • 簡単に。
  • シェルを切るなどの大げさな作業はしない。
  • なるべく安く。


○構成

  • Yamaha DTXplorerベーシックセット(ヤマハの一番安いヤツ, official, amazon)
  • ピエゾを用いたセンサー
  • TAMA メッシュヘッドトレーニングパッドTMP8Sを用いたハードウェア
  • メッシュパッドをラックに取り付けるためのマウント


○工具など

  • 半田ごて
  • 半田
  • ニッパ
  • ラジオペンチ
  • ハサミ
  • 熱収縮チューブ
  • 両面テープ
  • スパナ


○センサー部材料

  • 1x 圧電ブザー, 秋月
  • 1x 同軸ケーブル, amazon
  • 1x モノラルフォンオスΦ6.3, amazon
  • 1x 接着スポンジ, amazon
    • 両面テープとスポンジでも可。
    • 堅めが良い。柔らかいとすぐに削れる。


ハードウェア部材料

  • メッシュヘッドトレーニングパッド
  • 金具二種類
    • 4x L字金具(120~180 mm x 20~40 mm)
    • 1x 直線金具(20~40 mm)
      • なるべく高強度(二度鳴りを防ぐ)
      • 4 mmのボルトで留められるもの
      • 短辺のボルト用の孔の中心間距離が13 mm(TMP8Sの場合)又はフリーのもの
      • 僕は孔の間隔がフリーの物をコーナンで買ってきました。
  • その他ネジなど
    • 1x 金属板(3 cm x 3 cm程度の大きさ)
    • 5x ボルト(30 mm, φ4 mm)
    • 5x ナット(φ4 mm)
    • 10x ワッシャ(φ4 mm)
    • 10x バネワッシャ(φ4 mm)
      • 下のラックマウント材料と一緒にコーナンで買ってきました。


○ラックマウント材料

  • 留め具
    • ホースクランプ, amazon
      • 38mm〜40mmの太さに適用出来る物。
      • ドライバーなどでしっかり締め付けられる物。
  • 滑り止め
    • ゴムシート(2 mm厚), amazon
  • 金具二種類(ハードウェア部材料と同じ物)
    • 1x L字金具(120~180 mm x 20~40 mm)
    • 1x 直線金具(20~40 mm)
  • その他ネジなど
    • 4x ボルト(30 mm, φ4 mm)
    • 4x ナット(φ4 mm)
    • 8x ワッシャ(φ4 mm)
    • 8x バネワッシャ(φ4 mm)
      • ハードウェア部材料と一緒にコーナンで買ってきました。


○作成手順

  • まずセンサー部から作る。
  • 次に動作確認をする。
  • 最後にハードウェア部を作る。


○センサー部の作成手順1
参考

  • youtube
  • ピエゾの取り出しから結線まで。流れが分かると思うので、ひととおり見てみると良いと思います。
  • このムービーではモノラルフォンメスΦ6.3を取り付けてますね。こっちのほうがメンテしやすいかも。ケーブル代をけちらない方はこちらでどうぞ。

手順

  • 圧電ブザーからピエゾ素子を取り出す。
    • ラジオペンチで裏のふたを引きはがす。
    • ラジオペンチで周囲の枠を引きはがす。
    • 表の露出部にラジオペンチの先端などを突っ込み素子を押し出す。
  • 同軸ケーブルとつなぐ
    • 同軸ケーブルを1~2 mていどに切り取る。(レイアウトによって可変。)
    • 両端を2 cm程度割く。
    • ニッパで5 mm程度被覆を取る。
    • 素子から出た導線達もニッパで先端から5 mm程度被覆を取る。
    • 素子の内部(セラミック)から出た導線を同軸ケーブルの内側(1番)につなぐ
    • 素子の外周(金属)から出た導線を同軸ケーブルの外側(2番)につなぐ
    • それぞれを半田付けして熱収縮チューブで被覆。


○センサー部の動作確認

  • センサー部をモノラルフォンオスΦ6.3(又はメス)に仮留めして動作確認する。
    • 1番をチップ端子に巻き付ける。
      • 端から順に、チップ、ベース
      • 参考, Wikipedia
    • 2番をベース端子に巻き付ける。
  • モノラルフォンオスΦ6.3をDTXplorerトリガモジュールのSNAREジャックに挿す。
  • トリガモジュールの電源を入れる。
  • ヘッドホンなどでモニターしながら、素子をゆびでたたいてみる。
  • 音が出ればOK。
  • 仮留めしたモノラルフォンオスΦ6.3を外しておく。


○センサー部の作成手順2
スポンジを付ける

  • 底面の剥離紙は残し、接着スポンジで1 cm x 1 cm x 3 cmの立方体を作る。
  • はさみで切って、上部1/3をピラミッド型に整形する。
    • できあがりは東山スカイタワーみたいな形
    • 参考, Wikipedia
  • 素子のセラミック側の中央にスポンジを接着する。
  • この状態で再びセンサーの動作確認をする。


ハードウェア部の作成手順

  • TMP8Sのスナッピーを外す。
  • スポンジ付きの素子の背面に両面テープを貼り、金属板に付ける。
  • 4x L字金具を組み合わせて長方形を作る。
    • ボルトナットで留めるときは、ワッシャとバネワッシャを挟んで使う。
  • 長辺2つと短辺1つをボルトとナットで固定する。
  • L字金具の長方形の留めていない短辺をTMP8Sのシェルの内壁に当てる。
  • その状態で、素子のスポンジの先端が打面の中央に来る位置を金具上にマーキングする。
  • 金属板の裏に両面テープを貼り、マークした位置にに貼り付ける。
  • 内壁に当てていた短辺をスナッピーを外した二つの孔と重ねる。
  • シェルの外壁に直線金具を当てて、二つの孔と重ねる。
  • ナットが外になるように、ボルトを二つの穴に通す。
  • ナットでL字金具、シェル及び直線金具を固定する。
  • 固定位置の反対側のエンブレムに開いている穴に同軸ケーブルを通して外に出す。

○センサー部の作成手順3
ステレオジャックに半田付け

  • 1番(同軸ケーブルの内側)をチップ端子に巻き付ける。
    • 端から順に、チップ、ベース
    • 参考, Wikipedia
  • 2番(同軸ケーブルの外側)をベース端子に巻き付ける。
  • 半田付けする。


○ラックマウントの作成手順

  • シェルに直線金具を固定しているナットを1つだけ外して、直線金具の上にL字金具(1)の短辺を留める。
  • >L字金具の短辺及び長辺がいずれも水平になる向きで留める。
  • シェルに直線金具を固定しているもう一つのナットを外して、直線金具の上に別のL字金具(2)の短辺を留める。
  • >L字金具の短辺及び長辺がいずれも水平になる向きで留める。
  • ラックの棒にゴムシートを巻く。
  • L字金具を2本(3, 4)準備し、短辺をゴムシートに密着させる。
  • ホースクランプで2本のL字金具(3, 4)の短辺を留める。
  • >仮留め
  • 上のL字金具(3)が水平になるように位置を調整する。
  • ホースクランプを本留めする。
  • L字金具(1)の長辺とL字金具(3)をボルトナットで留める。
  • 直線金具をL字金具(1)~(4)全てに接するように配置して、それぞれとボルトナットで留める。


○最後の動作確認

  • ステレオジャックをSNAREの位置に挿す。
  • メッシュ部分をスティックで叩いて音が鳴ればOK。
  • DTXplorerのトリガセットアップでゲインなどを調節すると良いと思います。


まとめ
 出来合いのメッシュヘッドトレーニングパッドを流用することで、シェルを切るなどの大げさな作業をせずに、比較的簡単な作業で作ることができました。
 材料費はトレーニングパッドを含めてだいたい7,000円くらいだったと思います。同サイズのRolandのメッシュパッド(参考, amazon)の約半額で作れたので、ぼちぼち安く上がったと思います。
 工作好きな方だったら作成過程も楽しめますよ。


ほなまた


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