研究者のためのウェイトトレーニング講座 概論

研究者のためのウェイトトレーニング講座#1
スポーツのための筋トレとか、ボディビルディングとは違う。
日々の生活や実験を快適に実施するためのウェイトトレーニング
2時間電車で立っていても疲れない
ピペッティングを100回やってもだいじょうぶ
朝9時から日付が変わるまで実験し続けられる
スパルタンな肉体を手に入れるために。
ウェイトトレーニングしてみませんか?


必要なことをわかりやすく三つにまとめると、
○明確な指針を元にしたトレーニン
○栄養と休息
○モチベーション
 以下に僕の意見を書いておきますね。まぁスポーツマンでもボディビルダーでもないふつうのトレーニーの意見ですよ。参考程度に軽く読んでやってくださいな。


○明確な指針を元にしたトレーニン
 初めはとりあえず体を痛めないフォームを身につけて、怪我をせずにトレーニングを続けることが大切と思います。それには、一通りの基本が記述してあるトレーニング本を一冊購入することをおすすめします。

「週3回×3カ月 最短で筋肉BODYをつくる」
ブックオフ

 どうやら僕が参考にしたこの本はもう絶版のようなので、興味のある方はブックオフあたりで探してみてくださいな。トレーニングメニューが明確な良書です。一日一時間、週三回のメニューがストレッチと共に図入りで紹介されていて説明もわかりやすかったですよ。初めのうちは自重トレーニング、あとはチューブと水入りペットボトルを使うトレーニングが紹介されていて低コストなのもよいですね。もちろんダンベル使って負荷を高められます。スポーツの経験もなく、ピペットとピンセットより重いものを持たない生活だった僕でも始められたくらいの初心者向け書籍です。

 この本にこだわらなくても、「3ヶ月で見違えるような肉体になる」とか表紙に書いてある薄いトレーニング本を一通りこなしてみるのがよいと思います。いろいろなトレーニングが載った総花的な内容よりも、一日あたりのトレーニング内容が明確で、その日にどんなトレーニングをどれだけやったらよいかがわかりやすいものがおすすめです。デッドリフト、スクワット、レッグランジ、クランチ、ダンベルプレス、ショルダープレス、ベントオーバーロウイングあたりの基本的なトレーニングが基本から書いてあると良いですね。初めのうちは自重トレーニングで十分な負荷がかけられますよ。だいたいトレーニングの効果を実感するまで三ヶ月くらいかかるので、三ヶ月分のトレーニングメニューが載っているものがよいと思います。下記の内容にも通じることで、栄養や休息に関する記載があるとなお良しです。

 上記の本の内容をひととおり消化して飽きてきたら、「アイアンマン(Ironman)」とか「マッスルアンドフィットネス(Muscle and fitness)」とかを読んでみると、マニアックなトレーニングやサプリメントがいろいろ紹介されているので参考になりますよ。


○栄養と休息
 筋肉は休んでいるときに成長するんだそうです。まぁ妥当ですよね。動いている最中は、筋肉も力を発生させることに精一杯でしょうから。

 特に運動直後と就寝直後にようけ成長するらしいです。まぁそんなもんですかね。そのときに材料となるアミノ酸がないと成長もできんと。確かにトレーニング後は腹が減りますな。

 おなかが減った状態で放っておくと筋肉から筋繊維を構成するタンパク質が失われるそうです。まぁそうかもね。一部のアミノ酸酵素の働きで糖に変換できる(糖新生)し、筋肉みたいな大量にタンパク質を持つ器官からのほうが簡単にとってこれそうだし。


 まとめると、
 休息は必要。(ただしトレーニング後に限る。)
 寝る前に食う。(ただしタンパク質に限る。)
 腹が減ったら食う。(ただしタンパク質に限る。)


 タンパク質というとプロテイン(Protein)。そのまんまですな。市販のいわゆるプロテインは付属のさじに1杯(1スクープ)でだいたい20 g程度のタンパク質を含むものが多いです。

 最近プロテインをマッチョ以外にも売り出そうとがんばっているようですが、今時のインテリマッチョはプロテインなんて食わないですよ。(僕はマッチョじゃないですよ。)

 インテリマッチョはプロテインでなくて何を食うかって?分枝鎖アミノ酸(Branched chain amino acid, BCAA)っていうヤツです。バリンロイシンイソロイシン(さてどこで区切るか)。とりあえずこいつらが血中にあるとタンパク質合成の指標タンパク質の活性が上がるんだったかな。まぁ相関から因果を述べることは出来ないからどっちが原因か分からんけど、BCAAが筋細胞中のタンパク質合成を促進しているという解釈もできるわな。最近の研究によるとロイシンだけでも同じ効果が見られたんだそうな。まぁそこらへんの裏を取りたい方は「アイアンマン」でも読んで下さいな。

 とりあえず僕のお薦めはBCAA+G 1000 grams(Metabolic response modifiers (MRM), iHerb)。これは1スクープ6 gあたり、5 gのBCAA(バリン1.5 g, ロイシン2.5 g, イソロイシン1 g)と1 gのグルタミンを含みます。180 gの(iHerb)もあるので少量で試してみたい神経科学者はこちらにすると良いと思います。でもすぐ無くなりますよ。一食で6 gなので、180 gで30食分。毎朝とトレーニングの直前直後に食べたら一ヶ月持たないですね。1000 gramsおすすめ。プロテインよりも圧倒的に一食当たりの価格が安いし。

 iHerb.comで買った場合、送料含めて約55ドル≒5500円。1000 gで約170食分として32円/食。ウィダーのマッスルフィットプロテインはアマゾンで4000円/1.2 kg。一食20 gとして60食分、約67円/食。半分ですね。ウィダープロテインは牛乳で割った方がおいしいので、この額に牛乳代(40円/食くらい?)を足すと一食100円超えますね。水はブリタ(BRITA)で濾過したとしても数円/200 mlくらいじゃないですかね。プロテインを20 g食べたとしても、吸収されるのは胃などでアミノ酸に分解された分が主でしょうし、タンパク質の全てがアミノ酸に分解されるわけではないので、5 g程度のBCAAで充分なんじゃないかと思いますがいかがでしょうか。(価格などについては裏を取ってくださいね。)

 僕はこのBCAA+Gを200 mlのレモン果汁を少々入れた水に混ぜて飲んでます。BCAA+Gは基本的に水に溶けにくいので、さっと回し(渦を作るように中の液を回転させる)たら溶け残りごと飲んでしまいましょう。レモン味でBCAAの苦みがカバーされておいしく飲めますよ。

 とはいえ、このBCAA+Gミックスは一時間くらいしか腹持ちしないので、高タンパク質、低糖、低脂質の食事をしっかりたべて、補助としてBCAA+Gを摂取するくらいのほうがコストパフォーマンスが良いと思います。

 最近重宝しているのがベビーチーズです。あのアルミで包装されているヤツね。
雪印
六甲チーズ
 昼食に追加して3〜4個(タンパク質換算で10 gくらい)食べてます。ちょっと脂質の多いのが難点ですが、カゼインたっぷりの腹持ちのよい食いもんですよ。


○モチベーション
 最後にモチベーションです。こればっかりはひとから言われて何とかなるものではないと思うので、これが無いかたは何か探しておいてください。無理やり自己暗示をかけてとりあえず3ヶ月続けるという手もありますね。習慣化してしまえばトレーニングをする事自体がモチベーションになりますから。


みなさんが今日も元気な神経科学者たらんことを


ほなまた
大学院生募集中! 名大環研神経系1


おまけ
○iHerb.comで買い物をするときの注意
配送はケチらずクロネコヤマトを使った方がよいですよ。


参考文献
○Ironman japan
http://www.ironman-japan.com/

○Xfit(マッスル&フィットネスの会社がやってるHP)
http://www.xfit.jp/index.php

○BCAA+G 1000 grams(Metabolic response modifiers (MRM))
http://www.mrm-usa.com/v2/index.php?page=shop.product_details&flypage=shop.flypage&product_id=76&category_id=14&manufacturer_id=0&option=com_virtuemart&Itemid=1

○ブリタ(BRITA)
http://www.brita.net/jp/index.html