脳は「変化するために作られた」。脳の可塑性に関するTEDトーク3つ

TEDから脳の可塑性に関するトークを3つ紹介。

TED is a small nonprofit devoted to Ideas Worth Spreading. It started out (in 1984) as a conference bringing together people from three worlds: Technology, Entertainment, Design.

http://www.ted.com/

  • Pawan Sinha on how brains learn to see
    • http://www.ted.com/talks/lang/eng/pawan_sinha_on_how_brains_learn_to_see.html
    • 日本語字幕あり(Subtitles Available in: -> Japanese)
    • ネコやげっ歯類で研究されてきた入力依存的な視覚系の可塑性がヒトではいったいどうなっているのか。Dr. Shinhaは社会貢献と科学研究を組み合わせた画期的な手法でその問題に挑戦している。彼らがプラカシュ(Prakash、ヒンズー語で「光」)と呼ぶプロジェクトは、先天的な白内障の子どもたちを探し出し、無料で視力回復の手術を行い、その視覚機能の回復について研究する。
  • Michael Merzenich on re-wiring the brain
    • http://www.ted.com/talks/michael_merzenich_on_the_elastic_brain.html
    • 英語字幕あり(Subtitles Available in: -> English)
    • 脳の可塑性にはふたつの時期がある。基本的な処理回路が出来上がる幼児期の「臨界期(感受性期)」と、大人が技術や能力を習得するためにその回路を微調整する「大人の可塑性」である。聴覚系の発達を研究してきたProf. Merzenichは、それぞれの例について述べたあと、これまでに得られた脳の可塑性に関する知見を学習障害リハビリテーションに応用した例について紹介する。ちなみにこの記事のタイトル”脳は「変化するために作られた」”は、脳が大写しになった博士のスライド「Built For Change」から。
  • VS Ramachandran on your mind
    • http://www.ted.com/talks/vilayanur_ramachandran_on_your_mind.html
    • 日本語字幕あり(Subtitles Available in: -> Japanese)
    • 著書「脳の中の幽霊」でも有名なProf. Ramachandranが幻肢(幻肢とはケガ等で切断した手足が、そこに、さも存在するかのように感じる症例。痛みを伴うこともある。)の症例と、それがいかにして回復したかについて熱く語る。幻肢から回復する際にも脳内の神経回路が可塑的に変化している。あと、共感覚について。


 これらのトークはいずれも脳の可塑性の研究とヒトの機能回復という共通点がある。赤ちゃんや子どもたちの脳がどのようにして発達していくのかという神経科学の基礎研究が「役に立つ」例としても興味深い。


ほなまた
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大学院入学希望者向けの研究室情報。名大環研神経系1(視覚神経科学)


参考文献


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