この内容が四半世紀も前に書かれていたことに衝撃。脳の可塑性と記憶 塚原仲晃著

ぼうけんのしょ#3
脳の可塑性と記憶 塚原仲晃著, amazon


 この内容が四半世紀も前に書かれていたことに衝撃。いくつかの点、たとえば

生後脳細胞数が増えることはない

など今では書き換えられている知識もあることに注意が必要だけど、解説で村上富士夫博士が記すように

この二十年間に脳科学は長足の進歩を遂げたにも関わらず、本書のテーマである「脳の可塑性と記憶」の問題の解明は余り進歩していないことを受け入れざるを得なかった。

わけで、

それは本書が陳腐化していないことを意味していることになる。

ってわけです。
 とんびと油揚げの話を軸索誘導につなげる行(くだり)とか、とてもエキサイティングな展開でしたよ。個人的に。


 池谷裕二博士の著作などを読んで記憶や可塑性の神経科学に興味を持ったら、この本を読んでみるといいかも。この本が執筆された当時の研究者のリアルタイムな感触を感じられますよ。神経科学、脳科学に興味のあるすべてのひとにおすすめ。


ほなまた
大学院生募集中! 名大環研神経系1
大学院入学希望者向けの研究室情報。名大環研神経系1(視覚神経科学)


参考文献


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