軸索の形はおとなマウスでもアクティブに変化する。

論文紹介#14


 成体マウスで感覚欠失(Sensory deprivation)に伴う軸索の形態変化を見たっていうおもしろ論文。興奮性細胞と抑制性細胞では軸索の形態変化のタイムコースなどに違いがあったのだそうな。


PLoS Biol. 2010 Jun 15;8(6):e1000395.
Axonal dynamics of excitatory and inhibitory neurons in somatosensory cortex.
Marik SA, Yamahachi H, McManus JN, Szabo G, Gilbert CD.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20563307


 これくらいの時期(成体のマウス)になると樹状突起では形が変わったと言ってもスパインが出た引っ込んだっていう話なのに、軸索の形態変化はダイナミックですね〜。軸索の形態を細胞体から末端まで一本ずつ見てみたいな〜とか、この軸索の形態変化がどんな機能に影響するのかな〜とか、気になるポイントもいくつかあるけど、in vivoで軸索の形態を経時観察した例は少ないので、これだけでもおもしろ。下記の論文のようにLoss-of-function実験まで出来たらもっと面白かったと思う。
 Dr. Karel Svoboda's lab.の研究と合わせて読むと良いかも。


J Neurosci. 2010 Apr 7;30(14):4927-32.
Structural plasticity underlies experience-dependent functional plasticity of cortical circuits.
Wilbrecht L, Holtmaat A, Wright N, Fox K, Svoboda K.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/pubmed/20371813


ほなまた
大学院入学希望者向けの研究室情報。名大環研神経系1(視覚神経科学)


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