英文校正Webアプリ「CorTex」の使い方

 研究室の引っ越し準備も一区切り付いたので、以前作った英文校正ソフト「CorTex(CORrerated TEXt search)」のウェブアプリ版を公開します。
「CorTex(CORrerated TEXt search)」
 論文を書くときには上司や同僚などに読んでいただいてコメントをもらいなが推敲するのですが、あまりしょうもない間違い(冠詞の付け忘れ、スペルミスなど)を直していただくのも申し訳ないですし、日本人でも英国人でも解読できない英文もどき(単語の羅列)では意図が伝わらないのでコメントのしようもありません。自分で書いた英文はたとえ間違っていたとしてもなかなかそうとは気づかないもんですが、出来る限り自分で直しておきたいですよね。
 たとえば翻訳に役立つ Google活用テクニックで紹介されているように、ある単語の組み合わせをGoogleJournal of Neuroscience等の検索窓でフレーズ検索をするとそれが実際に使われる表現なのかヒット件数で判断できますし、実際の用例も示されます。ですが、手動でいくつも調べるのはとても大変です。この操作を助けてくれるのが英文校正ソフト「CorTex」です。入力した英文から複数の単語列を抜き出し、検索エンジンで次々にフレーズ検索をかけてヒット数を表示します。ヒット数を参考におかしなところ(修正が必要なところ)を探すわけです。ただし、このアプリは意味を考えないで修正の候補を挙げます。意味は自分で考えて下さいね。もちろん、投稿前には英文校正.netなどのプロフェッショナルまたはネイティブの友人に校正を頼むのがよいと思いますよ。



基本的に以下のように使うことを想定しています。

1.内容を考える。
2.英文を書く。
3.CorTexに入れて校正。
4.1に戻る。

馴れてくると3はいらなくなるはずです。

「ひとの英文直している暇があったら、まず自分のから何とかしろ」などとは言わないお約束。



まずトップページ
CorTex

○ログインした方がいいです。複数のひとがログイン無しで同時に使うと出力がおかしくなると思います。


○テキスト(3単語以上で、ひと段落くらい)を下のテキストボックスに入力してみてください。テキストボックスにぴったり入るくらいが良いと思います。長すぎるとタイムアウトエラーが出ます。

○スペルミスや冠詞のつけ忘れなどを感度よく検出します。あまり使われない単語や文のつなぎ目なども検出します。

○おおざっぱな英文校正の助けになると思います。このアプリは意味を考えないで修正の候補を挙げます。意味は自分で考えて下さい。

○出力までに数十秒から数分かかります。「Search」ボタンを押したあと、出力までに数十秒から数分かかるので、他のことをしてゆっくりお待ち下さい。



次は一つ目の出力
CorTex L4
○他の単語列と比べて桁違いにヒット数の少ないもの(ゼロとか10とか)は、あまり使われない表現です。文字通りです。検索掛けてもヒットしないような表現や単語です。

○スペルミスや冠詞のつけ忘れなどが考えられます。あまり使われない単語(専門用語)や文のつなぎ目があるのかもしれないです。

○ただし専門用語(Ephrinとか)はヒット数が少ないのでそこらへんはまぁ適当に。それでもヒット数がゼロ件だったらスペルミスを疑いましょう。

○修正したい単語列をクリックすると候補を探します。CorTex L3につながります。

20番目以降の単語列は表下の「次の候補」で表示されます。



二つ目の出力
CorTex L3
○修正候補をクリックすると「*」の位置にあてはまる単語の候補を示します。ワイルドカード検索です。CorTex L6につながります。

○ヒット数の多いところがよいと思います。文字通りです。

○「Serial No. 2」の出力する文字列が長いのは仕様です。直すのが面倒だったのでそのままです。

○検索窓のボタンを押すと外部のデータベースで検索します。こっちの方が使いやすいと思います。



三つ目の出力
CorTex L6
○修正候補をクリックすると下の検索窓に単語を入れます。気に入ったのがあったら押してみて下さい。

○検索窓は直接入力しても使えます。こっちの方が使いやすいと思います。



 今のところですが、日本時間で午後9時を過ぎるとタイムアウトエラーが頻発します。たぶんサーバーの問題だと思います。なるべく日中に試してみて下さい。
 最後に、このソフトとブログが皆様のお役に立てますように。

ほなまた


参考文献
1. 翻訳に役立つ Google活用テクニック

2. Google App Engine - Google Code

3. Python Japan User's Group

4. Yahoo!デベロッパーネットワーク

5. とほほのWWW入門

6. Django ドキュメント — Django v1.0 documentation

7. ライフサイエンス辞書プロジェクト

8. The Journal of Neuroscience Online