塞翁が馬な院試のお話

たまには昔の話でもしましょうか。
僕が初めて大阪に行ったのは、もうかれこれ10年ほど前のこと。
大学院の研究室訪問のためでした。
2002年の春のことです。
今回の昔話は研究室訪問から大学院に入る頃までの「塞翁が馬なお話」です。


2002年の桜もまだ咲かない三月半ばでしたか。
見学に行ったのは当時豊中にあったふたつの研究室でした。
いずれも神経発生に関する研究室で、
ひとつはベテラン教授さんに率いられた二十人を超える大所帯の研究室、
もうひとつは前年昇進したての教授さんを中心とする、数人規模の研究室でした。(今では三十人近くいるそうな)
個人的なある野望のためにはどちらも魅力的な研究内容だったのですよ。
片や神経細胞の移動、片や軸索の分枝形成。
見学のスタイルはまず研究室の教授さんが研究の大枠を説明して、個々のテーマと研究室の雰囲気などについては院生さんに話を聞きました。その後、研究室を見て回って、もう一回教授さんとお話ししておしまいって感じだったと思います。


見学が終わって自宅に戻り、大学院試験の願書を書いたわけですが、
どちらの研究室のテーマも魅力的で、先生もウェルカムな感じだったこともあり、どちらの研究室に所属するか正直とても悩みました。
結果的に僕の所属した新人教授さんの研究室は、新しい研究科の建物ができるまでの二年ほどの間ベテラン教授さんの研究室に間借りしていたので、結果的に両方の研究室に所属していたようなもんでしたね。
まぁ、これが修士の間のとても大変な日々の幕開けとは露程も思ってなかったんですがね、、、


まぁそこらへんの話についてはまた気が向いたら書くとして、
研究室見学は行ったほうがいいですよ。
出来れば院試の前に。
このへんの話は以前記事にしたのでそちらをどうぞ。(研究室を見に行こう。(院試の前に)


さて、話を戻しましょうか。
その年はついぞ桜花を見ませんでしたわ。
というのも、桜が咲いている間にほとんど外出しなかったからね。
部屋にこもってましたよ、ずっと。
朝起きて、朝食を摂ってCell(細胞の分子生物学、当時は日本語第三版、赤い表紙、バイオな奴は大体持ってる、広辞苑みたいな太さの本)を読み、昼食を摂ってCellを読み、夕食を摂ってCellを読み、風呂入って寝る。の繰り返し。
あんなに勉強したのは初めてだったな〜。
でもね、
出なかったんですよ。
試験に。
Cellの内容が、、、


試験は四月のはじめ頃でしたわ。
勉強した内容とは関係の無い問題を選択して、なんとか解きましたよ。
面接もあったっけな。
たしか、結果が一週間後くらいに出て、その数日後には入学手続き。
手続きに行った足で不動産屋に行き、気に入った物件を即契約。
週末またいで入学式でしたね。


そう、四月に試験で、その年の四月に入学したんです。
研究科ができた最初の年だったからそういうことになったのだそうな。
前年の院試に落ちて行き先のなかった僕には、まさに渡りに船でした。
もし前年の院試に落ちていなければ、
この研究科を受けることもなく、
大阪にもいかず、
その後のあれやこれやも無かったんだろうなぁなんて時々考えたこともありましたが、
今も元気でやっとります。(なんのこっちゃ)


さてさて、今日のお話はここまでにしときましょか。
以下まとめ。

  1. 大学院を受けるときには研究室見学に行きましょう。(できれば院試の前に)
  2. これから大学院試験を受ける皆さんは、過去問を手に入れて、その研究科の出題傾向を掴んでおくと吉。
  3. 人間万事塞翁が馬


ほなまた


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